弁護士法人は節税できる?法人化のメリットとデメリットを解説
平成14年4月1日より、弁護士法人の設立が可能になりました。
もっと事業拡大をしたい、という方は法人化を検討する方も多いかと思います。
本記事では
・弁護士法人と個人事務所の違いは?
・法人化するメリットとデメリットは?
・法人化は節税になるの?
といった疑問について解説いたします。法人化を検討中の方は是非ご一読ください。
目次
1.弁護士法人とは
弁護士法人とは、弁護士が結成した法人であり、弁護士業務を行う法的な組織体です。弁護士法人は、法律事務所と同じように弁護士業務を遂行し、一般的には複数の弁護士が共同で業務を行う組織です。法人としての性格を持つため、個人事業主と比較して法的責任の範囲が異なり、また法人としての経営や運営が行われます。
2.弁護士法人と個人事務所の違い
弁護士法人と個人事務所の主な違いは、法的な組織形態と業務経営のあり方にあります。まず、弁護士法人は法人格を持つ組織体であり、弁護士個人が法人として業務を遂行します。これに対し、個人事務所は弁護士個人が法人格を持たずに業務を遂行する形態です。
また、経営面においても弁護士法人は複数の弁護士によって運営されるため、意思決定や業務遂行において協力体制が整備されます。これに対して個人事務所は、一人の弁護士が主体となって業務を遂行するため、経営の独立性や責任の所在が異なります。
また、税務上の取り扱いや法的な責任、経営の柔軟性などにおいても、両者には異なる特性があります。弁護士法人は複数の弁護士が所属し、共同で業務を行うため、その組織形態に基づく特典や課題もあります。これに対し、個人事務所は弁護士個人の責任が直接的に反映されるため、個人の経営スタイルや責任範囲が異なります。
3.弁護士法人化のメリット
・支店展開
最も大きな利点は、支店を設置することができる点です。弁護士は、一つの法律事務所しか開設することはできませんが、弁護士法人は、その弁護士法人の主たる法律事務所の外に、従たる法律事務所を開設できます。
・弁護士法人の設立と組織構造
通常、弁護士法人はパートナーシップ形式で運営されることも多く、パートナー弁護士が経営に参加します。法人の組織構造は、クライアントに提供する法的サービスの性格に応じて異なりますが、専門性を生かすために様々な部門や専門分野が設置されることが多くなっています。
4.弁護士法人化のデメリット
・弁護士会費の増加
弁護士は弁護士会に必ず加入しなければならず(強制加入)、加入すれば弁護士会費を負担する義務があります。弁護士法人を設立した場合も弁護士法人が必ず弁護士会に登録する必要があり、個人としての弁護士会費負担に加えて、法人の会費も負担することが主なデメリットになります・
弁護士法人化にはいくつかのデメリットも考えられます。
まず、組織となることで意思決定に時間がかかる場合があります。複数の弁護士が関与するため、合意形成に時間がかかり、意思決定が遅れることがあります。
さらに、法人としての運営には多くの手続きやコストが必要となります。組織運営のための手続きや会計管理、また税務面での申告など、それらに関するコストや手間が増大する可能性があります。
弁護士法人化には様々なデメリットが考えられます。組織の運営だけでなく、税務面や個人の責任など、さまざまな側面から検討する必要があります。
5.弁護士法人は節税になる?
所得税も法人税も税率があまり違わないので、弁護士法人を設立しても節税効果はあまり期待できません。弁護士法人であれば欠損(赤字)7年間の繰越しが可能となりますが、そもそも欠損(赤字)を出すこと自体が稀になります。
そのため、弁護士法人にしたからといって、大きな節税効果があるとはいえません。
弁護士法人化によって節税効果が期待できる場合がありますが、必ずしも全てのケースでそうとは限りません。弁護士法人化による節税効果は状況によって異なります。
弁護士法人化による節税のメリットとしては、法人税法の優遇措置を享受できる点が挙げられます。法人は個人とは異なる税制上のルールが適用され、法人利益に対する税率が比較的低いことがあります。また、経費の計上や節税対策が個人とは異なるため、税金の負担を軽減できる可能性があります。
ただし、個人の所得に対する税制と法人の所得に対する税制は異なるため、具体的な節税効果を確定するには個々の事情に応じた専門家のアドバイスが重要です。また、節税効果を追求するためには細かい法令の把握や適切な会計処理が求められるため、専門家との十分な相談が不可欠です。
総じて言えることは、弁護士法人化が節税につながる可能性があるという点ですが、その範囲や方法については個々の事情や専門家の助言に基づいて検討すべきです。
6.法人化のために必要なこと
法人化を行うためには、幾つかの重要な手続きと注意すべき点があります。
まず、弁護士法人を設立するには、弁護士会への届出が必要です。それに伴い、所定の書類や申請書の提出が求められます。この際、必要書類の作成や実務手続きについては、専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。
次に、事業の運営についてよく考える必要があります。経営計画や事業目標、リスクマネジメントなど、法人としての運営に関わる重要な事項について検討し、計画を練ることが大切です。
また、資金調達や財務管理も適切に行う必要があります。法人としての運営には資金が必要となりますので、十分な資金調達計画を策定し、適切な財務管理が求められます。
さらに、税務や会計についての知識や対策が必要です。法人としての納税義務や会計処理について正確に把握し、専門家のアドバイスを受けながら適切な対策を講じることが不可欠です。
法人化に関する手続きや運営においては、専門家との相談や助言を受けながらスムーズな進行と適切な運営を心がけることが重要です。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。
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