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【相続の面談マニュアル/第6回】クロージング

【相続の面談マニュアル/第6回】クロージング

いつも当メールマガジンをご覧いただきありがとうございます。 相続分野のコンサルティングをしております、船井総研の廣瀬と申します。私は特に、相続の面談・受任力アップ研修に力をいれており、これまで数多くの研修やロールプレイングをご依頼いただいてきました。 今回、研修やロールプレイングでお伝えしている「面談のポイント」をマニュアルとして整備しましたので、全6回に分けてその内容をお送りいたします。 最終回である第6回は「クロージング」です。 前回までの内容は、こちらのコラムをご覧ください。 【第1回】 https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/uncategorized/post-8004 【第2回】 https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/inheritance/post-8021 【第3回】 https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/inheritance/post-8043 【第4回】 https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/marketing/post-8127 【第5回】 https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/marketing/post-8145

相続面談におけるクロージングの5つのポイントとは?

相続面談のクロージングでは、以下の5つのことを行ってください。 ①費用提示:明確な見積りと料金の判断軸の提示 ②スケジュールの提示:相続手続きをスムーズに進めるための期限設定 ③To Do(タスク)の明確化:お客様と専門家の双方がすべきことの整理 ④未受任の場合のフォロー:次回以降の連絡方法と時期の確認 ⑤LTV(ライフタイムバリュー)の向上:追加提案につながる情報提供 これらを適切におこなうことで、最終的な受任率を引き上げることができます。 なお、クロージングの時間は15分程度です。ここに時間をかけすぎる必要はありません。 それでは、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。

クロージングのポイント解説

費用提示:明確な見積もりと相場観の提示 費用を提示する際は、「端的」に、「当たり前」に伝えることが重要です。 「高いですよね」といった言葉を使ってしまうと、お客様の中にマインドブロックが生じます。 専門家自身がサービスの価値を下げるような発言は絶対に避けてください。 まずは、最も充実したプランから提示し、最低価格から提示しないことが大切です。例えば、「お客様の場合ですと、こちらの相続手続き丸ごとサポートで、費用は50万円ほどです」と伝え、お客様が難色を示した場合には、他の選択肢を提示するといった流れが望ましいです。 また、金融機関、弁護士、税理士などの相場を例示し、比較対象を明確に伝えることで、お客様が判断しやすくなります。 見積もりが確定できない場合も、「現時点の概算費用」を必ず提示します。 ② スケジュールの提示:お客様に明確な手続きの流れを伝える 相続手続きのスケジュールは、お客様にとって非常に分かりにくいため、 専門家が明確に伝える必要があります。 例えば、相続人・財産調査を○月に実施し、遺産分割協議を○月に完了する、その後、名義変更・相続登記を○月に進め、相続税申告を○月までに行う といった流れを整理してお示しすると、お客様が手続きをイメージしやすくなります。 特に、「この頃までに着手しないと間に合わない」という点を強調し、 役所や金融機関の手続きに時間がかかることを事前に説明することが重要です。 ③ To Do(タスク)の明確化:お客様と専門家の役割を整理 お客様が準備すべき書類やタスクを明確に伝えることで、お客様の意思決定を後押しすること、動き出すことで受任確度をあげることができます。 例えば、相続人への確認事項や、確認書類を持ってきていただくなど、必要なタスクを具体的に示し、さらに専門家側のタスク(不動産査定、税理士との連携など)も併せて共有することで、この案件を「とりあえず動かす」ことができます。 また、タスクを「一覧表」にまとめ、紙またはデータでお客様に渡すことで、 次回面談や書類提出の期限を明確にすることが重要です。 ④ 未受任の場合のフォロー:次回以降の連絡方法と時期の確認 「ご検討いただき、またご連絡ください」と曖昧にしてしまうと、 お客様の関心が薄れてしまい、結果として受任につながりにくくなります。 「2週間後に、相続部門の担当者からご連絡します」と明確に伝え、 お客様にボールを渡さないようにすることが重要です。このとき、面談担当者以外からも連絡がしやすい言い回しにしておくことは重要です。 また、LINE公式アカウントなどの窓口を用意し、事務所側からも、お客様が気軽に連絡できる環境を整えることで、二回目面談やフォロー受任の機会を作ることができます。 ⑤ LTV(ライフタイムバリュー)の向上:将来につながる提案を 二次相続対策や不動産査定などの情報を「ジャブ打ち」し、例えば「相続後の不動産の活用方法もサポートできます」といった案内をすることで、将来的な追加受注の確率をあげることができます。 すぐに契約を取る必要はありませんが、情報提供を怠ると、「それを先に聞いていれば相談していたのに…」といった機会損失につながるため、 積極的に情報を伝えておくことが重要です。

クロージングをうまくするために活用すべきツール

クロージングをスムーズに進めるために、以下の5つのツール を準備することをお勧めします。 ① 費用提示・比較ツール ・料金テーブル(明確な料金一覧表) ・概算見積もりシート(お客様のケースに応じて概算費用を記入できるシート) ・費用相場(金融機関・弁護士・税理士など)を記載した資料 ② 参考スケジュールシート ・相続手続きの流れを記載したスケジュール表 ・「○月上旬」など、おおよその目安を書き込めるフォーマット ③ To Do(タスク)リスト ・お客様のタスクリスト ・専門家側のタスクリスト ・次回の面談アポ、ご連絡方法と期日の記載 ④ 相談窓口のご案内ツール ・LINE公式アカウントの登録用QRコード付き案内 ※「相続の相談窓口」「ご連絡用LINE」などと明記し、飲食店などのクーポン利用などと誤認されないようにする。 ⑤ LTV向上のための情報提供ツール ・二次相続対策の案内チラシ ・不動産査定の案内チラシ これらのツールを活用することで「クロージングの標準化」ができ、受任率やLTVを向上することができます。

まとめ

ここまで6回にわたり、相続面談のポイントを整理してきました。 相続分野のサービスは、専門家の提案次第で提供できる価値が大きく変わるため、非常に責任は重いですが、同時にやりがいのある業務です。その最初の接点となるサービスが「面談」です。 AIには代替できない士業の本質的なサービスの価値が、ここ(=面談)にあるのではないでしょうか。 ぜひ引き続き、面談スキルを磨き、より高い付加価値を提供できる専門家を目指していただければと思います。 この【相続の面談マニュアル】が、その一助になればうれしく思います。

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