法律事務所の離婚分野における市場と集客のポイント
「離婚」は弁護士が最初に扱う分野の一つです。多くの先生が経験するからこそ、離婚分野には様々なイメージをお持ちではないでしょうか。
本記事ではデータと合わせて、離婚分野の「リアル」をお伝えし、離婚分野で成功するためのポイントをお伝えします。
離婚分野でよくある思い込み
離婚分野はこれから伸びないのでは?
弁護士業界全体を見ると、日本の人口としては減少の一途をたどっている一方で、
司法制度改革の影響を受け、弁護士は増加傾向です。
案件数は減っているものの、弁護士数は増えているという状態であり、法律事務所業界での競争環境は激化しているといえます。
離婚に絞った件数の動向を以下の図で示しています。
離婚の件数自体は減少傾向であるものの、弁護士が関与する件数は増加傾向です。
離婚の際に弁護士が関与する意義が広まり、関与率は56%まで上がっています。
まだまだ弁護士か関与する余地はあり、これから案件数が増加する可能性もあります。
また、上記のデータには、日本の離婚の9割近くを占めると言われている協議離婚は含まれていません。協議離婚に取り組まれる先生方はかつてよりも増えている一方で、まだまだ適切なサポートが届いていないのが実情です。
離婚全体における件数の推移
いまから離婚分野に取り組んでも遅いのでは?
離婚分野は目新しい分野ではなく昔から取り扱われてきた分野である一方で、離婚分野に本格的に注力している先生はそこまで増えていないのが現状です。
例えば、Google広告のクリック単価から見て取ることができます。
Google広告のクリック単価は、一般に競合が多いほど値上がりし、競合が少ないほど値段が下がる(上がらない)という傾向があります。
法律事務所が扱う多くの分野では、クリック単価が上昇傾向ですが、離婚分野ではこの3年横ばいとなっています。
以下の図は、主要都市のGoogle広告における、ページ上部に掲載された広告のクリック単価を示しています。
地域 |
2020年の単価 |
2023年の単価 |
札幌市 |
443円 |
489円 |
東京都 |
793円 |
835円 |
名古屋市 |
645円 |
650円 |
大阪市 |
891円 |
815円 |
福岡市 |
864円 |
801円 |
2020年と2023年で比較しても単価はあまり変わっていない状態です。
すなわち、3年間での競合環境にそこまでの悪化は見られないと言えます。
離婚分野では経営は成り立たないのではないか?
離婚分野は、解決までに時間がかかり、ストレスも非常に大きいため、依頼者への貢献と収益性の両立がしにくい、と思われている先生は多いのではないでしょうか?
確かに、時間がかかる割に報酬が得られにくいと思われている先生もいらっしゃるかと思います。
一方で、全国で離婚分野を中心に売上を立てている先生は多数いらっしゃいます。
以下は一例です。
地域 |
人口 |
事務所売上 |
離婚での売上 |
東北地方 |
100~200万人 |
2億5000万円 |
1億3000万円 |
東北地方 |
100~200万人 |
3000万円 |
3000万円 |
首都圏 |
50~100万人 |
3500万円 |
3000万円 |
首都圏 |
30~50万人 |
4000万円 |
4000万円 |
関東地方 |
100~200万人 |
1億7000万円 |
1億5000万円 |
東海地方 |
30~50万人 |
4500万円 |
3500万円 |
関西地方 |
200万人~ |
9000万円 |
7000万円 |
中国地方 |
50~100万人 |
9000万円 |
7000万円 |
中国地方 |
50~100万人 |
7000万円 |
3000万円 |
中国地方 |
~10万人 |
4500万円 |
2500万円 |
地域、商圏の人口を問わず、離婚を中心に売り上げを立てられている事務所様がいらっしゃいます。
商品設計・マーケティングを工夫することで、離婚分野でも収益化し、事務所の柱とすることが可能です。
離婚分野は受任率が低い?
また、受任率が低くなってしまう、という声も多くございます。
以下のようなお悩みをよくいただきます。
・紹介を中心に離婚案件が集まっており、断りたい案件も断れない
・紹介者との関係を鑑みると、受けにくい案件も面談をせざるを得ない。
こういったケースについては、マーケティングに取り組むことで解消が可能です。
マーケティングをすることで、
・弁護士が取りたい案件を集められる
・受けにくい案件は断ることはできる
といったメリットがあります。
離婚分野のマーケティングに乗り出すべき事務所はどんな事務所?
では、離婚分野のマーケティングに取り組むべき事務所はどのような事務所でしょうか?
開業直後の事務所
開業直後はキャッシュフローが最も心配な時期です。
「案件数が多く」「入金が速く」「実務での課題が少ない」テーマに取り組むことが重要です。
離婚分野は、案件数が大きく減っている状態ではなく、上記のネガティブな印象もあり、競合が緩やかな傾向があります。
また、着手金の入金が期待できるうえ、他の個人分野と比較すると、比較的解決が早い傾向にあります。
多くの法律事務所では離婚分野を扱っているため、開業前の事務所で離婚の経験がある先生が多い点もお勧めできます。
まずは売上3000~4000万円を目指したい事務所
事務所の売り上げをもう一度伸ばしたいという先生からご相談をいただくことがありますが、そのような先生には離婚分野がおすすめできます。
開業直後の事務所と同様、マーケティングコストをかけすぎずに、早期にキャッシュフローを安定させることが重要であるため、競合状況、案件特性を踏まえ、まずは売り上げを伸ばしたい、という先生には離婚分野から取り組んでいただくことをお勧めします。
既存分野の収益が下がり、新しい柱を探している中規模以上の事務所
交通事故・債務整理での売り上げが減少する一方、弁護士数は一定数いるため、売上に対する経費の比率が高まってきたという事務所様には、まずは喫緊の売り上げを確保しつつ、弁護士の売上強化と育成のために、離婚に取り組むことをお勧めいたします。
離婚分野は依頼者、相手方との交渉があり、全分野で必要な交渉力が身につきます。
また、面談においても、「共感」「見通し」「後押し」といった、いわゆる「受任力」を高めることが可能です。
離婚分野の案件はどのように獲得する?
集客の柱は「HPを用いたWebマーケティング」
離婚分野の案件獲得における、一番の柱は「HPを用いたWebマーケティング」です。
これまで紹介を中心に集めていた先生は、Webマーケティングに取り組むことで案件数を増やすことが可能です。
実際、とある離婚中心事務所様では、全体の問い合わせの約75%がHP経由でした。
Webマーケティングのポイントは以下の通りです。
・問い合わせにつながるHPを制作する
・SEO対策を施し、問い合わせへの誘導を入れた記事を作成する
・最適なターゲットに広告を出稿する
船井総合研究所では、HP制作から記事のご提案・広告戦略の検討と運用までサポートいた
します。
Webマーケティングにおける問い合わせまでの流れ
Webマーケティングはお悩みのある方が検索し、問合せをしてもらう構造です。
まずは、認知を獲得することが重要です。
相談者は、自身のお悩みに合わせたキーワードで検索を行い、検索上位に出てきたページから、気になったページに来訪します。
ここでは、対策が必要なキーワードを選定し、上位に表示させることが重要となります。
これらを達成するため、SEO対策と広告の運用を行います。
その後、自信の状況やお悩みにあった記事を確認します。その中で、弁護士に依頼する必要があるかを判断します。ここにおいては、幅広いニーズに対応するためコンテンツを充実させることと、弁護士ができることを明確にすることが重要です。
ここまで見たうえで、弁護士に依頼をしたいと思った方は、どの弁護士に依頼をするのか選定します。相談者の人生に直結するため、複数事務所と比較し、問い合わせをすることも少なくありません。
ここでは、問い合わせの利便性を強化するとともに、「選ばれる」事務所になることが重要です。
船井総研にご相談いただくと…
これらのマーケティング施策を弁護士業の傍らで実施いただくのは、勉強時間、実施時間を考えると、なかなか難しいという先生も多いのではないでしょうか。
また、ご自身でHPを作ったものの、ポイントを押えられておらず、問い合わせにつながらなかったというケースもございます。
事務所経営にお悩みを抱えている先生は、まずは無料相談にお申し込みください。
離婚分野でのサポート例
・離婚分野での商品設計
・問い合わせにつなげるHPの制作サポート
・HPコンテンツのご提案・SEO対策
・リスティング広告戦略設計・運用
・問い合わせ管理
・ツール類の作成
・その他日常のご相談
無料経営相談のご案内
弊社では全国の法律事務所において、離婚分野に特化したコンサルティングを展開しています。全国での取り組み事例を踏まえて、貴所に合わせて最適なマーケティング戦略を提案させていただきます。
実際のコンサルティングでの成功事例をご共有します。いずれの事務所様も離婚分野に力を入れていただき、売上を拡大されています。
無料で経営相談をさせていただき、貴所のご状況とご要望をヒアリングさせていただき、最適なご提案をさせていただきますので、この機会にぜひご利用ください。
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