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アメリカ視察にみる「法律事務所経営」の在り方

9月8日(日)~14日(土)にかけて、アメリカ(サンフランシスコ+ロサンゼルス)の視察に行ってまいりました。
弁護士の先生をはじめ、士業やその他業種の経営者、120名近くの方に参加いただき、大変学びが多く満足度の高い企画となりました。

今回、訪問や講演をいただいた先は以下の通りです。

■視察・講演
・Zoom
・armanino
・ZOHO
・Google
・ドジャース(+試合観戦)
・南カリフォルニア大学
・ソニーピクチャーズ

■講演
・マイクロソフト
・カーネギー国際平和基金
・AIメディカルサービス
・久司宮渡さま

また、視察中にはGoogleが運営している自動運転自動車「Waymo」にも乗車し、実際にサンフランシスコ市内を自動運転自動車が走る(乗る)体験もしてきました。

私自身、はじめての海外視察の参加となりましたが、法律事務所経営においても取り入れられることが数多くありましたので、本コラムでご紹介させていただきます。
詳細は年末の総会の際にもお伝えさせていただきますので、お楽しみにお待ちください。
先進事例、成功事例を取り入れて持続的成長を実現しましょう!

モデル企業の共通項「AI」「人的資本経営」「顧客志向」

先述の通り、世界を代表し、経済をけん引する企業に訪問、講演を聞かせていただきました。
今回の全体テーマは「AI」でしたが、ITやテック企業、その他業種の企業も含めて、共通した経営のキーワードは「AI」「人的資本経営」「顧客志向」でした。

まず、「AI」については、AIをどう業務に組み込むのか、という視点ではなく、AI活用を前提とした経営を行っていくこと、ということでした。
また、経営に取り入れるにしても、時間をかけて計画を練り、導入するのでなく、導入しながら応用していくスピード感が重要だということです。
端的にAIを知らない、使わない企業、事務所は淘汰される(生産性が上がらない)のは間違いないと言えます。

当社社長の真貝も帯同しておりましたが、真貝の言葉を借りると、「サステナブル、というのは過去どれくらい持続できたか、つまり百年やってきました、ということではなく、この先何年を見渡して、投資をしていくのか」ということで、事務所のサステナブル経営を目指すうえでも、AIや後述の人的資本に投資を先んじて持続的に行えるのかが重要と言えるのでしょう。

次に、「人的資本経営」ですが、日本は上場企業において、「人的資本の開示」が義務化されており、中堅、中小企業においても、人(従業員・所員)を「材」としてでなく「財」として扱い、如何に成長、生産性を上げるために企業、事務所として投資できるかが問われています。
アメリカでは、「人財」を「資本」として捉え、責任を負わせつつも、自由に働く環境(職場、働き方、福利厚生、キャリアステップなど)を柔軟且つ、長く働いてもらうために整備していました。
特に労働集約型の産業において、人財採用と定着は経営において必須の取り組みとなるため、アメリカの事例はキャッチアップしておきたいところです。

最後に、「顧客志向」です。これは、GoogleやZOOM、マイクロソフトといった世界を代表する企業はもちろん、その他の視察先、講演をいただいた先に共通していたキーワードが「顧客志向」「顧客目線」でした。
今回、講演をいただうたマイクロソフトのマネージング・ディレクターのShaloo Gargさまが「顧客の要求に追いつかないと滅びる(淘汰される)」
はその本質だと言えます。
プロダクトアウト(できることを売る)から、マーケットイン(大衆が求めていることを売る)に変わり、今後はユーザーイン(個々が求めていることを売る)に変わります。
これを属人的でなく、CRM(顧客管理)をAIを用いて行うことで、持続的な顧客獲得、育成ができるようになり、顧客から選ばれるようになります。
言い換えれば、顧客志向、顧客目線のない企業、事務所は選ばれなくなると言えるでしょう。

このように、アメリカでは、上記3つの事柄を意図的でもあり無意識的(カルチャーとして)に取り組み、顧客や市場から選ばれ続けている土壌があります。

詳細はまた11月の法律事務所向け合同総会でもお話ししますが、

・他国のことは関係ない、知らない
・他の業種、企業規模が違うことは参考にならない

と思われないことを願いますし、まだ日本で取り組んでいる企業、事務所が少ない今だからこそ、先進事例を取り入れることが重要です。
市場環境、経営環境が変化している今だからこそ、新しい情報、事例を仕入れてみてはいかがでしょうか。

2025年は、4回の海外視察(①米国②インド・シンガポール③韓国④デンマーク)が決定しました。
詳細はまたご案内させていただきますが、是非、都合をつけてご参加ください。

法律事務所経営.com

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