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【弁護士の先生必見】業績が悪化した際の要因分析と対策


11月に開催した法律事務所合同総会では、例年と同様、経営状況アンケート結果を共有させていただきました。
収支の状況を追いかけると、

2019年 増収増益88% 減収減益12%
2020年 増収増益50% 減収減益50%
2021年 増収増益72% 減収減益28%
2022年 増収増益66% 減収減益34%
2023年 増収増益69% 減収減益31%

という結果になりました。

弁護士の先生方
こんにちは。
船井総合研究所の吉冨でございます。

収支状況を見ていただくと分かりますが、コロナが感染拡大をし始めた2020年を境に多くの事務所で業績が悪化し、2021年以降は回復基調にあるものの、大半の事務所が増収増益にあったコロナ禍以前の水準までには戻り切っていません。

業績が悪化している要因は事務所により異なりますが、皆さまは自事務所の業績が好調あるいは不調な理由・要因を明確に説明できますでしょうか。

前回のコラム(12月14日配信 件名:【弁護士の売上事情の変化】年末だからこそ新年に向けた一手を)でもお伝えした通り、市場は縮小傾向にあるため、活動を維持すると業績は必ず低迷します。

業績が不調な事務所の先生方は、次にお伝えする項目ごとでの数値を明確にしていただき、特に不調な項目に対して改善し、業績を戻していく対策を進めていきましょう。

売上を構成する5つの要素を振り返る

まず、売上が低迷している場合、着目しないといけないのは以下の5つです。

①反響数
そもそも問い合わせ、反響がない。紹介、ホームページ、ポータルサイト、セミナー・勉強会等を通じ、相談者からの問い合わせを如何に得られているか。

②面談誘導率
反響があっても面談設定ができていない。相談者から問い合わせがあった場合に、配点ルールを整備し、適切な弁護士に早めの日時で面談設定ができているか。相談者の利便性に応じて、相談方法の選択肢(電話、来所、LINE、チャット、オンライン面談など)を提示できているか。

③受任率
面談できても受任ができない。法的な回答だけでなく、相談者の悩みを傾聴し、伴走する姿勢を見せるとともに、サービス内容を具体化し、弁護士費用を明朗会計化できているか。他の事務所(弁護士)と比較した際の比較優位性、依頼していただく必要性を伝えられているか。
他の弁護士の平均的な受任率と比較して、差異がある場合の要因を検討できているか。

④受任単価
受任できても単価が低い。近隣の法律事務所と比較して適切な料金設定ができているか。着手金、報酬金を事案別で策定できているか。「価格=価値」であり、弁護士費用が高くても受任でき、生産性が低くならないサービス策定ができているか。

⑤解決数
単価は悪くないものの忙しく新件が受任できる状態ではない。現在の保有案件が何件あり、何件(報酬金見込みも算定)が年内に終了(計上)するか明確にできているか。案件が多く、業務過多の場合は新件の受任を控え、終了案件を増やし、新件を受任できる体制を整えられているか。

売上や業績が低迷している場合、①~⑤のいずれかの数値が低い場合や課題になっているケースが多いと言えます。
業績が思わしくない場合は、まず上記の①~⑤のどこに原因があるのか、数字に落とし、昨年対比で比較できるようにしておきましょう。

それぞれの項目を改善するために実施すべきこと

先ほど挙げた5つの事項ですが、「課題は分かっているものの具体的に何をすれば良いのか分からない」という先生方も多いのではないでしょうか。

特に最も多い要因は①の「反響数」だと思います。

実際、法律事務所合同総会の経営状況ヒアリングアンケート結果においても、「現在の経営課題」として、以下の回答結果が出ました。

■法律事務所が抱える主な経営課題(複数回答可)

1位:WEBマーケティング、集客(44事務所)
2位:差別化要素づくり(23事務所)
3位:ルート開拓(22事務所)
4位:専門分野づくり(21事務所)
5位:生産性向上・業務効率化(20事務所)
5位:資格者採用(20事務所)
5位:受任力向上(20事務所)
8位:弁護士教育・育成(19事務所)
9位:所長以外の営業力(16事務所)
10位:スタッフ教育・育成(15事務所)

このように、多くの事務所が①に該当する「集客⇒反響獲得」を課題に挙げています。

実際、反響が来ないことには②以降の数字にも繋がらないため、反響の分母を増やすことで、②以降の率が低くとも「受任数=売上」を向上することができます。

経営課題を見つけ、具体的なアクションに繋げる

簡単に受任・売上に繋がるまでの要因を因数分解し、特にテコ入れが必要とされる項目についてお伝えさせていただきました。

・業績低迷が続いているが、主観ではよく分からない
・業績低迷の要因は明確だが、具体的に何をすれば良いのか分からない
・業績は好調だが、何が理由でうまくいっているのか掴めていない
・業績が好調なので、2024年は新しい施策に取り組み業績を更に伸ばしたい

そのような先生方は是非、年末年始にかけて弁護士専門のコンサルタントに相談されてみてはいかがでしょうか。

毎月、多くの先生方からご相談をいただき、事務所の経営状況をヒアリングさせていただき、適切な対策や事業戦略をご提案させていただいています。

一般的なコンサルティング会社とは異なり、ただ机上の空論・戦略を伝えるのではなく、即時業績に繋がる戦術・戦闘レベルでの施策の提案、実行支援、代行業務を行っています。

具体的な施策は細かく、事務所により細部は異なりますので、少しでも興味関心のある先生方は是非、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

船井総研では年末の12月27日まで弁護士専門のコンサルタントが無料での経営相談を実施しています。
ぜひ、市場環境や他事務所の事例をお聞きいただき、自事務所にとって相応しい戦略をともに描ければと思います。

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