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【2024年最新版】弁護士業界における今後の課題 -将来性は?-

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近年、法律事務所業界における現状は厳しいものへと変化しています。
この状況下で経営を続けていくには、どう行動していくべきか、お悩みの経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、法律事務所業界を取り巻く現状と課題、経営者が今後持つべき視点について詳しく解説いたします。

1.法律事務所・弁護士業界における現状

2024年の法律事務所業界の置かれている現状は厳しいと言わざるを得ません。

全国の法律事務所経営の現状を整理すると、

・売り手市場の継続
・弁護士あたりの案件数減少
・全国展開新興事務所の台頭
・民事裁判のIT化に続くDXの推進
・成長市場への参入激化によるマーケティング戦略の多様化

など、法律事務所経営の在り方が多様化・複雑化しており、安定した事務所経営が難しくなっているのがお分かりになるのではないかと思います。

ここから上記の法律事務所業界における現状について、詳しく解説いたします。

1.1. 売り手市場の継続

現在、弁護士業界の就職は売り手市場であると言われています。
これは就職したい弁護士よりも、採用したい法律事務所の数が多く、企業には不利な状況になります。
また、新人弁護士は大型事務所への入所を希望する人が多いため、中小規模の法律事務所では、求人募集を行なっても新人弁護士や経験弁護士の応募が集められないという採用難の問題が生じています。

1.2. 弁護士あたりの案件数減少

日本弁護士連合会によると、弁護士の数は2020年時点で42,164人となっており、この数は司法試験に合格する人数(約1500人)分、毎年増加しています。これは、1990~2004年頃に行われた司法改革の影響から増加していると言われています。
また、全国には約18000もの法律事務所があり、その数は年々増加傾向にあります。
そんな状況とは対照的に、日本で起こる一般民事・家事案件の数は、減少傾向にあるといえます。
実際に、2021年には民事訴訟の件数は130,860件、弁護士数は43,206人となっており、弁護士1人あたりの案件数は3.0となっています。この数は、2020年が3.2、2019年が3.3となっているため、弁護士1人当たりの受任件数は減少しているという現状があります。

1.3. 全国展開新興事務所の台頭

内閣官房の法曹人口調査報告書(2015年)によると、「インターネットの情報をもとに弁護士を探す」といった回答が21.7%と全体の2番目に多い割合で集まりました。
現在は、スマートフォンの普及率が96.3%と非常に高い割合となっているため、弁護士を探すためにインターネットを利用する方が増えていると考えられます。
このことから、全国に展開する新興事務所は、圧倒的なWeb広告の投下を行うことによって勢力を得ています。
そのため、事務所同士による広告競争が激しくなっている現状があります。

1.4. 民事裁判のIT化に続くDXの推進

2022年5月に公布された民事裁判のIT化では、訴状提出や訴訟記録の閲覧・複写がオンラインで可能になるなど、今後、様々な場面でオンラインが活用されていくと考えられます。
それに続いて、顧客獲得・見込み客育成・案件管理などのDX化が進められています。

1.5. 成長市場への参入激化によるマーケティング戦略の多様化

現在、増収・増益のできている事務所は、販売促進と商品の差別化を進めるためにマーケティング戦略を行っているという状況があります。
このことからも分かるように、持続的な事務所経営の実現のため、加速度的に変化する市場概況を踏まえながら、様々な戦略を打ち出していくことが求められています。

業界内に限らない話になりますが、「活動を維持すると衰退を意味する時代」と言えます。2020年の新型コロナ感染症拡大からはじまり、ロシアによるウクライナ侵攻、元首相の襲撃事件など起こりえないことが起きている時代です。
また、AIの進出がささやかれております。実際に、アメリカでは業務の効率化を図れるような人工知能弁護士が誕生しています。
これらの現状から、弁護士の今後や将来性を不安視する声が多くなっています。

そのような変化の激しい時代だからこそ、事務所のPMVVを策定し、持続的な成長発展を遂げるための次なる一手を打つことが求められています。

2.弁護士に将来性はあるのか?

弁護士業界の現状をお話しましたが、「果たして弁護士に将来性はあるのか?」と思われる方も少なくないでしょう。
結論として、弁護士業界にはまだ「将来性がある」と言ってよい理由があります。
その理由を解説いたします。

2-1.弁護士が活躍できる場の広がり

コンプライアンスに対する意識の高まりなどから、企業法務の需要は増す一方です。
これによってインハウスローヤーを採用する一般企業や行政機関も増えてきております。
法律事務所で働くことや開業弁護士になる他に、インハウスローヤーという選択肢も増えました。
また、弁護士向けのプロダクト開発・ソフト開発に携わるなどの「弁護士サポート側」に回るというのも選択肢のひとつになっています。

このように働き方が多様化したことで、弁護士が活躍できる場が広がっているのです。

2-2.AIが担えるのは単純作業

弁護士業界におけるAIの活用は、単純作業の効率化に留まるでしょう。
現状では依頼者とのコミュニケーション、相手の感情に寄り添ったサポートを行うことはAIには困難です。
また、AIによって人が裁かれることが可能となるためには今後多くの課題が残るでしょう。

したがって弁護士の仕事が完全にAIに代わられる、ということは将来的にも無いと考えられます。

2-3.情報過多社会だからこそ弁護士の専門性が活きる

インターネット社会になり、素人でも簡単に情報を手に入れられる時代になりました。
しかし、その情報の中には誤情報も溢れています。
情報を正しく判断するためには、変わらず専門性が必要であり、法律分野に精通する弁護士の知識は今後も重宝されるでしょう。

以上のように、弁護士には将来性はあります。が、弁護士数が増加する弁護士業界内で生き残るためには「選ばれる弁護士」になるための努力は必須です。
今後変化する社会のニーズを捉え、専門性やコミュニケーション能力を磨いていくことで他事務所との差別化を図りましょう。

3.これからの法律事務所経営者が今後持つべき視点

最後に、法律事務所経営において今後どのような視点を持つべきかをお話します。

弁護士業界は人手不足、低生産性、市場競争激化が顕著な業界です。
そのような業界でも勝ち抜くための戦略のキーワードが、事務所の存在意義と果たすべき使命であるパーパスとミッションをベースにした「経営戦略(事業+組織)」の策定と実行です。

ここで大切になるのが、次の4点になります。

〇事務所の存在意義を見つめ直す
多様化・複雑化する法律事務所経営において、事務所の存在意義を固め(パーパス)、果たすべき使命(ミッション)を決め、それに基づいた経営戦略を策定する。

〇経営戦略に基づいた事業戦略を描く
個人、法人分野を含め、どのようなマーケットでどのようなプロモーションを描くのかを明確にし、力相応×狭属性で勝ち抜ける領域に投資して勝ち抜く。

〇経営戦略に基づいた組織戦略を描く
事務所を成長拡大するのか、少数精鋭で成長を果たすのか。経営戦略に基づいた採用活動、人事制度を開発し、生産性を最大化させるための体制、実施事項を整理する。

〇今年のアクションを決める
5年~10年後のあるべき姿を想像し、そこから逆算したバックキャスティング思考で2023年の定量・定性目標を定め、目標を達成するための重点施策を決めて実行する。

このような上位概念(経営理念・経営計画)を築き、そこに基づいた戦略と施策を描き実行することで法律事務所の持続的成長が実現できると考えています。

下記の無料レポート内では、上記の戦略を先行して実施している事務所様の事例をまとめております。
レポート内で紹介しております具体的な取り組みや事例が、皆様の経営戦略のヒントになれば幸いです。
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