弁護士は独立すると悲惨?楽しい?失敗理由や成功する人の特徴
弁護士が独立すると、食えない・稼げない、といった悲惨な結果になるのではないか…
そういった不安から独立開業に踏み切れない弁護士の方も多いのではないでしょうか。
私たちは多くの法律事務所・弁護士の方のサポートをさせていただいております。
そのなかで、独立開業後、素晴らしいスピードで成長する弁護士と成長が難しい弁護士がいらっしゃいます。
どのような弁護士が独立に失敗し、悲惨な結果になり
また、どのような方が素晴らしい成長を遂げるのでしょうか?
それぞれ詳しく解説いたします。
目次
独立に失敗する弁護士の特徴
独立開業に失敗し、悲惨な結果となってしまう弁護士の方には特徴があります。
独立開業の資金不足
独立開業の資金が不足しているにも関わらず独立を急いでしまったり、設備や内装といった初期投資にお金をかけすぎてしまうとうまくいかないことが往々にしてあります。
独立の計画段階で、たとえ初めから十分な集客が無くてもしばらくは経営が成り立つような資金計画を立てなければいけません。
集客・マーケティングの戦略が不十分
独立して事務所を成功させるためには、安定的に顧客を獲得することが絶対条件です。
勤務弁護士時代のコネクションのみで十分な顧客を獲得出来ればよいですが、新規顧客を獲得するためのマーケティング戦略も欠かせません。独立準備の際に、どのような強みで事務所をブランディングしていくのかといったマーケティング戦略が不明瞭ですと、売り上げの土台を作ることが困難になってしまうのです。
事務所の立地・ターゲット設定が悪い
事務所の立地も非常に重要です。アクセスの良さばかり重視して一等地に事務所を構えてしまうと家賃が高額になってしまいますが、かといって目立たないところに事務所を構えてしまっては人目につきません。
尚且つ、アクセスが悪すぎると公共交通機関を使う遠方からの依頼が獲得できません。
どのような層をターゲットにするのか、ということも踏まえてバランスのよい立地を選択できないと、うまく集客に繋がらず失敗してしまうのです。
独立に成功する弁護士の特徴
私たちの経験上、企業法務、個人法務含めて成長スピードの高い弁護士の方に共通するのは、前職でB2B営業の経験があることです。
それでは、なぜ、前職でB2B営業をしていた方ほど成功する方が多いのでしょうか?
このコラムではその理由と、キャッチアップしていただきたいポイントをお伝えします。
また、今回独立開業を検討されている先生方向けの無料経営相談についてもご案内させていただきます
どうぞお気軽にお申込みください。どうぞよろしくお願いいたします。
成功の要因1「ビジネス理解力の高さ」
まず1つ目のポイントはビジネス理解力が高いということです。
ビジネス理解力が高いとは、相手のビジネスモデルを理解したうえでWin-Winの関係性を築けることを指します。
例えば、見込み客が契約書について相談に来たとします。
ビジネス理解力の高い方は、なぜこの契約書を使うのか、どういう場面で、どのようなリスクの排除のために使うのか、また、締結の相手を確認し、他に意識するべき点はないかといった形で、派生して出てくる登場人物との関係性を整理し、何に気をつけるべきかを指摘します。
そして、最終的には契約書作成によって得られるビジネス的な成果を示すのです。
依頼された業務によって、クライアント企業の業績がいくら上がるのかという話まで展開していきましょう。
単に契約書を作成して、提出しただけの方と比較するとその違いに気付けるのではないでしょうか。
成功の要因2「提案力が高い」
「提案力」と聞くとどういうイメージを持ちますでしょうか?
営業要素が強く、敬遠してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
決して、ネガティブな印象を抱く必要はありません。
「提案力」とは、なぜ社長は顧問弁護士を頼むのかを深く理解し、法律論ではなくクライアント企業に合った解決策を一緒に見つけてあげることです。
また、提案の前の準備力も徹底する必要があります。
WEBサイトはもちろんのこと、SNSの確認、商品パンフレット、書籍等のように事前に確認するべき資料は豊富に存在します。
また、「決まる提案」のために一般的な事業会社が徹底している当たり前のことを士業事務所として行うことが重要です。
例えば、提案フェーズを「未対応・追客判断前・荷電メール済み・経営相談確定・提案中・回答待ち・長期追客・受任」のように細かく細分化して、リマインドの実施やボトルネックの早期発見を行います。
抜け漏れが発生してしまっていないか?必ず止まってしまうステージがないか?を丁寧に洗い出していきます。
また、非常に受任率の高い方が何をしているかも可視化されます。
このようなフローで「提案力」を高めていった事務所が成長することのできる事務所となるのです。
成功の要因3「失敗を当たり前だと思えている」
弁護士の世界では「失敗」=「損害賠償」等の大きなリスクをはらんだものです。
しかし、独立し、自ら経営する世界では失敗は当たり前の世界です。
チラシを配って反響がなかった、WEB広告を開始して反響がなかったという事象は、成功している経営者が誰しも経験したことのある事象です。
つまり、どれも成功が保証されたものではない仮説段階ではあるが動かす必要があるということです。
石橋を叩くように安定に安定を重ねた施策は、他競合事務所が必ず実施して成果を出しているため、いざ実施しようとしたタイミングでは既に遅れた施策となってしまうのです。
このように弁護士と経営者の思考は明確に分けるべきてす。
リーンスタートアップという有名な書籍があります。
リーンスタートアップとは、コストをかけずに最低限の製品・サービス・機能を持った試作品を短期間でつくり、顧客の反応を的確に取得して、顧客がより満足できる製品・サービスを開発していくマネジメント手法のことです。
試行錯誤の段階では完成度が低くともまずは市場に出してみる、という思考を持つようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。弁護士の独立開業で失敗する人・成功する人の特徴をまとめました。
独立の準備を念入りにし、開業後も経営戦略をしっかりと見据えることが大事です。
船井総合研究所では弁護士専門のコンサルタントが法律事務所の経営をお手伝いしております。
「これから独立開業してみたい」「独立開業して数年経っているが、これからどうしようか悩んでいる」という方はお気軽にご相談ください。