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【完全版】弁護士のwebマーケティング!注意点と成功ポイントを徹底解説


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法律事務所向け企業法務分野における業種特化型WEBマーケティング
【弁護士業界】労災分野マーケティングレポート
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弁護士と法律事務所数は毎年増加しており、弁護士1人あたりの人口も2004年には5,957人だったところ、2021年には2,842人と3,000人を下回るとともに、法律事務所数も2005年には11,313件から2021年には17,772件まで増加しています。

弁護士1人あたりの人口の比較表

※1:日本弁護士連合会 基礎的な統計情報(2021年)より https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2021/1-3-8.pdf
※2:日本弁護士連合会 基礎的な統計情報(2021年)より https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2021/1-4-1.pdf
※3:総務省統計局 人口推計データと上記※2を基に船井総研にて算出  https://www.stat.go.jp/data/jinsui/index.html

2008年以降日本の人口が減少するなかで、法律事務所業界においては、人口動態や市場環境、競合の状況を踏まえた適切なマーケティング活動を行わないと、案件獲得(業績アップ)が難しい時代になっていると言えます。

今回はマーケティング活動のなかでも、反響・案件獲得の主軸となる「法律事務所のWEBマーケティング」について手法や特徴、成功のポイントについて解説いたします。

弁護士にマーケティングが必要な理由

弁護士にマーケティングに取り組む必要性は以下の通りです。

①人口が減少する一方、弁護士は増え続けており、供給が需要を上回る状況
②弁護士広告が解禁されて以降、特にWEB広告の運用やホームページ制作と更新に取り組む法律事務所が増加
③①と②により、紹介による案件獲得が困難となり、主体的にマーケティング活動を通じ、事務所やサービスの存在を認知する必要性が増加

という状況になっています。

マーケティング活動は単純に事務所やサービスの認知を広げるための「プロモーション戦略」に加え、サービスの策定(サービスの具体化・明朗会計可)や提案方法なども含みますが、今回はなかでも相談者・依頼者との接点を構築するうえで必要不可欠な「WEBマーケティング」について解説します。

最も重要なのは弁護士のWEBマーケティング

前提として、WEBマーケティングはマーケティングにおけるひとつの手法だということは押さえておきましょう。
詳細は後述しますが、事務所で限られたリソース(時間、労力、お金)を有意義に投資するうえでも、目的を踏まえて優先順位をつけることが大切です。
また、WEBマーケティングといっても、下図のようにさまざまな要素が組み込まれていますので、外観だけでも押さえながら読み進んでいただければと思います。

WEBマーケティングの要素の図

まず、依頼者が弁護士を探す際に、知人などの紹介を通じて直接弁護士との接点が構築できない場合は、インターネットで検索をして弁護士を探すことになります。
インターネットで弁護士を探す場合、一般的には、取扱い分野に沿って法律事務所が掲載されている「ポータルサイト」もしくは法律事務所が独自で運営している「ホームページ」を見ることになります。
今では弁護士向けのポータルサイトも増え、相談者や依頼者は弁護士を選び易くなりましたが、ポータルサイトでは事務所の特徴や強みを表現できる文字数、掲載内容に制限があることで、弁護士側としては本当に知って欲しい情報を届けるには不十分だと言わざるを得ません。
特に「受任相当案件」は事務所によって異なるため、適切な案件(顧客)を獲得するためにも、自社のホームページで発信をしていく必要性があると言えます。
言い換えれば、「とにかく何でも良いから反響数を増やしたい」という場合はポータルサイトの運用で足る可能性がありますが、事務所の方針に沿い、適切な受任単価で適切な反響を獲得するうえでは事務所独自のホームページで適切なWEBマーケティングをすることが重要だと言えます。

ホームページで反響を獲得するうえでのポイント

まず、法律事務所でホームページを運用する場合、目的を明確にする必要があり、法律事務所のホームページにおいては、以下のように目的によって使い分ける(特化サイトを別で立ち上げる)必要があります。

サイトの種類 目的 検索キーワードイメージ 検索クエリ
事務所サイト 事務所認知

〇〇法律事務所

△△弁護士

Goクエリ
特化サイト 反響獲得

顧問弁護士 東京

離婚 弁護士 相談

Buyクエリ
メディアサイト 認知+反響獲得

内容証明郵便とは?

秘密保持契約書作成方法

Knowクエリ

恐らく、弁護士の先生方はさまざまな法律事務所のホームページをご覧になられているかと思いますが、ひとつの事務所が複数のホームページを立ち上げているのを見られたこともあるのではないでしょうか。
これは上記のように、検索者の意図によって、検索キーワード(購買意欲)が異なるため、それぞれの目的に合わせたホームページを立ち上げている可能性があるということになります。
法律事務所のホームページにアクセスする方は、単純に言葉の意味や定義を知りたい(Knowクエリ)場合もあれば、実際に弁護士に相談や依頼をしようと思っている(Buyクエリ)場合、すでに依頼をしている方が連絡先を調べる(Goクエリ)場合などがあり、検索者の意図に沿って適切なホームページやコンテンツ(記事)を作成する必要があります。
言い方を変えれば、事務所が欲しい問い合わせ(反響)に合わせたホームページや記事を作成することで、ある程度コントロールが利くということになります。
ただし、独自のホームページを保有する法律事務所は年々増加しており、特定のキーワードで検索順位1位を獲得することは容易ではありません。
また、ホームページから反響を獲得するうえでは、以下のポイントを押さえることが重要です。

①検索ボリュームが一定程度あるか(月間300件以上が望ましい)
②弁護士に依頼するようなキーワードか(言葉の定義や意味を調べるキーワードは反響に繋がらない)
・反響に繋がるキーワード例:「内容証明 弁護士」「退職勧奨 弁護士」「パワハラ 訴えられた」
・反響に繋がらないキーワード例:「内容証明とは」「退職勧奨 進め方」「パワハラ」
③競合(法律事務所)がどの程度、存在しているか

また、狙うべき検索キーワードを選定したうえで大事なことは、検索順位で上位表示を実現するだけでなく、反響獲得ができる構成になっているかを確認することです。

まず、検索順位で上位に表示させるうえでは、さまざまな要素が考えられますが、少なくとも以下の要素は押さえておきたいポイントとなります。

①ページ数(ホームページに掲載している記事の数)
②ホームページの更新頻度(2~3週間に1回程度は記事を作成し更新)
③ドメインエイジ(ホームページを立ち上げた際のドメインの取得経過年数)
④サイトの安全性(SSL対応などのセキュリティ対応の有無)
⑤独自コンテンツ(解決実績や事例、お客様の声など)

さらに大枠で捉えると、SEOの上位表示は「内部対策」と「外部対策」と「時間」で分けられます。
それぞれの変数で改善が可能な個所を確認し、ブラッシュアップを図ることで反響獲得率を改善することも可能となります。

SEOで上位表示されるための要素の図

なお、検索順位で1位になったとしても検索順位は常に変動があります。

・検索アルゴリズムは日々変動し、そのうえ、3~4か月に1回実施される大きなコアアルゴリズムアップデートというものも存在します。
・コアアルゴリズムアップデートが実施されると、それまで上位だったサイトが急落することもあります。
結果としてアクセス(流入数)の減少⇒反響数の減少⇒売上の低下に繋がります。

また、反響に繋がるかどうかは、サイト内にある記事の構成要素にも寄ります。
基本的には「PASONAの法則」に則った記事作成をするのが良いでしょう。
「PASONAの法則」とはProblem(問題) Agitation(扇動) Solution(解決策) Narrow down(絞込) Action(行動)の頭文字で、消費者の購買を促すためのメッセージの法則性を表したものです。
これを法律事務所の記事作成(例:「問題社員対応」)に落とすと以下のようになります。

P)Problem – 問題を提起する
「部下に対してハラスメントを起こす社員はいませんか?」

A)Agitation – 問題を炙り出し、あおりたてる。
「ハラスメントを起こす社員を放置すると、職場環境の悪化、従業員の離職、最悪の場合、パワハラをされた従業員から訴えられる可能性があります」

So)Solution – 解決策の提示と証拠
「ハラスメントを起こす社員には注意指導を行い、顛末書を書かせるなどで再発防止に繋げましょう」
「それでもハラスメントが繰り返させる場合は退職勧奨や懲戒処分の検討をしましょう」
「また、解雇が成立し易くなるように就業規則や雇用契約書を見直しておくことも大事です」

N)Narrow down – 限定、緊急、絞込み。
「ただし、退職勧奨や解雇を含む懲戒処分は不当解雇、強制解雇だと訴えられる可能性があります」

A)Action – 行動
「ハラスメントの防止に加え、退職勧奨や解雇に関しては、労働問題に精通した弁護士に相談してください」

といったステップになります。
もちろん、上記は一般的な流れですので、なぜ自事務所に相談すべきかのか、を解決実績や事例も交えることや、弁護士費用も明記するなどして、記事を読んで依頼に繋がるような設計をしておくことが重要だと言えます。

なお、最近はこのSEO(検索順位)対策に加え、MEO(地図検索最適化)の考え方も浸透してきています。

SEO(検索順位)とMEO(地図検索最適化)の違い

MEO対策においては主に以下の3つの指標が重要視されていますので、押さえておくべきでしょう。

■事務所までの距離
ユーザーがスマートフォンなどで検索する場合、GPS機能と連動することで、ユーザーの位置から近い事務所が表示されやすくなり、地図エンジンでは、近さも1つの重要な指標となります。
ただ、ユーザーのいる場所と事務所までの距離は対策ができませんので、事務所側として特に気にかける必要はありません。
地図エンジンの仕組みとして、遠くのユーザーには表示されにくいことを理解しておくことが大切です。

■検索キーワードとの関連性
検索キーワードとの関連性は、MEO対策で非常に重要な側面があります。
ユーザーが検索したキーワードに対して、ビジネスの内容がどれだけ関連しているかによって検索順位が左右します。
そのため、自事務所が検索される際に検索されるであろうキーワードを明らかにしたうえで、事務所情報(サイトタイトルやサイトディスクリプション※後述)にそのキーワードを盛り込むことが必要です。

■事務所の知名度
事務所や自事務所のホームページがどれだけネットで取り上げられているかなど、知名度も重要な指標となります。
知名度を高めるためには、SNS発信やSEO対策も必要となり、Googleでの口コミ数や評価も影響します。
Googleでの口コミ数を増やすうえで、口コミの記載を促すシートを作成し、満足度の高そうな依頼者に対して、事件解決後にシートをお渡しし、回答いただくケースも増えています。

WEB広告の活用

ホームページから集客をするうえでは、先述した記事作成による検索順位向上(SEO対策)が重要になりますが、SEO対策は時間がかかるうえで、有益な記事を作成しても1位あるいは上位に表示される保証はないため、中長期目線で取り組む必要があります。
一方、WEB広告を活用することで、特にアクセスをして欲しい記事に直接流入を図る方法があります。
WEB広告には「リスティング広告」や「リターゲティング広告」、「ディスプレイ広告」など、さまざまな手法が存在しますが、最も成果に繋がり易いのは「リスティング広告」だと言えるでしょう。
「リスティング広告」とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して検索結果にテキスト形式で表示される広告のことを言います。ユーザー自身が検索したキーワードに合わせて広告が表示されるため、サービスや商品を探していたりニーズが明確になっていたりするような、確度の高いユーザーにアプローチできるという特徴を持ちます。
法律事務所で反響に繋がり易い広告キーワードだと、「離婚 弁護士」や「交通事故 弁護士」といった相談内容に「弁護士」を掛け合わせたキーワードのほか、「内容証明 届いた 対応」、「弁護士 契約書 作成」など、個別の事案に応じたキーワードを組み込むことも想定できます。
ただし、リスティング広告は広告を表示するだけでは費用は発生しませんが、広告をクリックされることで費用が発生するため、適切なターゲット設定に加え、配信地域やキーワードをブラッシュアップしていかないと費用対効果の合わない広告運用になってしまう可能性もあり注意が必要です。
また、分野によって広告費と反響率(成果の出易さ)は異なりますので、事務所の受任方針や予算感に応じた広告設定を進めていきましょう。

分野 クリック単価 反響獲得コスト 成果の出易さ
交通事故 5,000円~10,000円 30,000円~40,000円 ×
離婚 500円~1,000円 10,000円~15,000円
相続 500円~1,000円 15,000円~40,000円
債務整理 2,500円~5,000円 30,000円~40,000円
企業法務

500円~1,000円

10,000円~15,000円 ×

上記はあくまでも目安ですが、分野や地域によって広告単価は異なりますので、自事務所のエリアを鑑みた設定をしてください。

弁護士のマーケティングにおける注意点

全体的なマーケティング戦略を練る

これまで見てきたように、反響獲得はもとより事務所の状況や方針に沿った受任相当の案件を獲得するうえでは、しっかりとマーケティング戦略を練ることが重要だと言えます。
今回は「WEBマーケティング」を中心に記載していますが、企業法務であれば企業向けのセミナー開催や税理士や社労士のチャネルの開拓、相続であれば葬儀社や司法書士などのチャネル開拓、交通事故であれば保険代理店や接骨院の開拓も反響獲得ルートに該当するため、事務所のリソースとも相談し、どこに優先順位を置いてマーケティングを実施していくかは検討すべきでしょう。

WEB広告の規約違反に注意する

なお、法律事務所がWEB広告を運用する際には、「規約違反」に留意する必要があります。
具体的には、「コロナ」というキーワードはGoogleのポリシー違反になるため、「コロナ」というキーワードを組み合わせた広告設定はNGとなります。
また、「破産」を含む債務整理に関するキーワード設定は事業者確認が入るため留意しておく必要があります。
そして、よくある間違いが「専門」を打ち出した訴求になります。
日本弁護士連合会による「業務広告に関する指針」において、以下が言及されています。

専門分野と得意分野の表示
(1) 専門分野は、弁護士等の情報として国民が強くその情報提供を望んでいる事項である。一般に専門分野といえるためには、特定の分野を中心的に取り扱い、経験が豊富でかつ処理能力が優れていることが必要と解されるが、現状では、何を基準として専門分野と認めるのかその判定は困難である。専門性判断の客観性が何ら担保されないまま、その判断を個々の弁護士等に委ねるとすれば、経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害も生じるおそれがある。客観性が担保されないまま専門家、専門分野等の表示を許すことは、誤導のおそれがあり、国民の利益を害し、ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあるものであり、表示を控えるのが望ましい。専門家であることを意味するスペシャリスト、プロ、エキスパート等といった用語の使用についても、同様とする。
(引用:https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/rules/pdf/kaiki/kaiki_no_45-2_160620.pdf
このように「専門」や「プロ」といった言葉は使用しないことが適切ですので、ホームページの屋号やサイトのタイトル(サイトのタイトル)、ディスクリプション(サイトの説明文)には使用しないことをお勧めします。

弁護士専門コンサルタントによるマーケティングのサポート

以上のように、マーケティングを行うためのツールは様々あります。
最も重要なことは事務所の成長戦略やリソース、予算に応じて適切なマーケティング戦略を練ることです。
今回お話したWEBマーケティングだけでなく、DMや紹介といった他のマーケティングも加味して戦略を練る必要があります。
船井総研では弁護士専門のコンサルタントがサポートさせていただきますので是非お気軽にご相談ください。
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