忙しすぎる!売り上げを維持しながら事件数を減らしたい事務所が取り組むべきこととは?
こんにちは。
法律事務所 相続・遺言業務研究会の主宰者の鈴木ゆたかです。
年間50件以上の法律事務所の経営相談をしていますが、忙しさに悩まれている先生方のほとんどは弁護士が本来すべきでない仕事までしているように感じます。
東京以外での弁護士採用が厳しい今、先生方の忙しさを解消する方法に、もはや弁護士採用はありません。
今後、現状の売り上げを維持ないしは成長し続けられる事務所は、
①業務の細分化と権限移譲ができること
②高単価事件の集客・受任ができること
③事件解決力を向上し続けられることのいずれかができていないと厳しくなると思われます。
本コラムでは①~③の方法をお伝えします。
目次
今後成長する事務所の特徴
①業務の細分化と権限移譲
忙しすぎる事務所の場合、弁護士が足りないという要因もありますが、基本的には弁護士が本来やるべきでない仕事をしていることが原因になっていることが殆どです。
なぜなら業務の定義が曖昧で定義が曖昧だからこそ正確に役割を分担できないため、弁護士がどちらの役割と明確に決まっていない業務までやってしまい、弁護士の貴重な時間がそこに費やされてしまっているためです。
改善するためにすべきことは、集客から事件終了までの流れをすべて細かく書き出し、役割分担表を作ることです。イメージしにくいかと思いますので、簡単な例題を出したいと思います。
今お手元にメモなどがある先生は、「受電から面談予約確定まで」の業務を書き出してみてください。
・・・
いかがでしょうか。書き出すことができても3工程程度になっていないでしょうか?
例題の回答下記のような流れです。
なお、弁護士の予定が共有されておらず必ず受電後に改めて電話をかけて面談予約を確定させている事務所は、そもそもそのルールから変えていくことをお勧めします。
もちろん簡単に変更できない事務所もあるでしょうから、その場合は上記の工数に書き足してください。
上記の表には対応者の部分に弁護士は一度も出てきていません。面談までは弁護士が出てこないことが理想です。
そのほかにも、遺産分割調停事件で、遺産目録の作成を事務局さんに手伝ってもらってなかったり、相続人関係図すら弁護士が作っている事務所もありますが、どの事務所でも経験を積んでもらえば作れるようになりますので、今すぐその仕事から手を放してください。
②高単価案件の集客・受任
次のフェーズはマーケティングです。そもそも高単価案件とは何でしょうか?5年かかった300万円の事件でしょうか。1年で終了する80万円の事件でしょうか。
私たちは1年で終了する80万円の事件を多く集客することを推奨しています。
それが実現できるソリューションが船井総研にてよくご紹介しています、早期解決型遺産分割です。
ソリューションの説明はこちら(下記リンク先)のレポートをご覧ください。
https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/report/report-2290
一見単価が高くとも時間当たり生産性が高くない事件を数多く抱えることで、事務所のキャッシュフローは回りにくく売上予測も立てられなくなってしまいます。今後相続専門サイトなどで集客するターゲットは早期に解決を目指せる遺産分割・遺留分案件にしていただきたいです。
③事件解決力の向上
最後にお伝えしたいのは、先生方の事件解決力の向上に注力し続けていただきたいということです。
法律事務所では先生方が商品ですので、先生方がいかに良い提案・交渉をするかどうかで依頼者が獲得する経済的利益は変わります。
例えば相続税に配慮した遺産分割協議案を提案できたり、不動産の評価方法に精通していることで遺産の評価総額を増やし、代償金を増やす提案ができるかもしれません。これらは日々の相談業務だけでは身に付けることは難しく、専門的な勉強をし続けることで得られる能力です。
先生方の弁護士としての力が「選ばれる理由」の1つとなり、受任の後押しだけでなく、ホームページなど集客活動に生かすことも可能です。