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民事裁判のIT化で法律事務所業界はこう変わる!?~改正民事訴訟法が成立、民事裁判のIT化に向けてあと3年、法律事務所経営において何を準備すべきか!?~


いつもありがとうございます。船井総研の川上です。
5月に改正民事訴訟法が成立し、いよいよ民事裁判のIT化が正式に決まりました。既に地域にリモートでも裁判が導入されており、先生方から状況を伺っています。

今回の法案成立に共にない、コンサルティングの打ち合わせの際には、このIT化に向けて今後数年で事務所として何を準備すべきかという議論をこの5月~6月は行いました。

本日はこの民事裁判のIT化についてお話したいと思います。

民事裁判のIT化で、法律事務所経営は何が変わる!?

具体的に裁判がどうかわるかは、5月に各報道機関がメディア報じております。また、その辺りは既に多くの先生方がご存知だと思います。そのため、その裁判がIT化されて裁判自体がどう変わるかよりは、その結果それぞれの事務所が経営上どのようなシフトを行うかという予想を私の視点からご紹介させていただきます。

①力のある事務所が全国から「案件」が獲得できる時代へ
弁護士が移動の負担少なく全国の事件を対応できる場合、専門性がある事務所・大都市の事務所・知名度がある事務所は、より広い地域のより多くの方へ広告などを使いアプローチが可能となります。この状況は既に、交通事故や慰謝料請求などの分野では、広がっている取り組みですが、今回の裁判のITをきっかけにより加速することが考えられます。

依頼者からすると、地域の法律事務所だけでなく、より専門的な事務所や大都市の事務所にも相談できるという選択肢が広がることは良いことだと思います。一方で、これまで事務所の周辺知識に競合事務所が存在しないことで、獲得できていた事件が今後は上記のような事務所が獲得することで、相談数や受任数が減少してしまうことは容易に想像できます。

この裁判のIT化は、これまでの貴所の競合の事務所がどこになるのか、そしてどのような対策が必要なのか改めて考えなくてはいけません。

②力のある事務所が全国から「人財」も獲得できる時代へ
裁判のITは、これまで紙でやり取りしてきたものをデータ化・クラウド化されることがもう1つ大きな点です。このクラウド化による影響は、働く場所や働き方に大きな影響をもたらします。情報が紙で存在する場合は、同じ場所で業務を行うことが1番の効率化です。そのため、同じオフィスに皆さんが集まり、そこで業務を行うことが一般的でした。しかし、その情報がクラウド化すると、場所が離れているところでも業務を遠隔に行うことが可能となります。

実際、事務所完全クラウド化に取り組んだ法律事務所では、クラウド化を行ったことで電話受付スタッフとパラリーガルの在宅勤務が可能になり、遠隔地に住む方も雇用することが可能になりました。

法律事務所は情報の取り扱いでどこまで事務所外での業務が可能になるかという点は検討は必要だと思われますが、この裁判のIT化で考えられることは、オフィスの在り方や採用のターゲットも変わるということです。

これまでは、通勤できる範囲の事務所が対象でしたが、リモートで業務が可能な場合は、例えば大都市在住のパラリーガル経験のある方が、地方の事務所に雇用され業務を行うことは可能です。また、これまで一等立地にオフィスを構えていた事務所は、事務局機能を別なところへ移し、より広く快適なオフィスで家賃を下げるということを選ぶ事務所も出てくるかもしれません。

この裁判のIT化は、これまで貴所の採用やオフィスの在り方も再度考え直し、この流れを強みに変えるために何ができるか検討する良い機会だと思います。

まずは何から取り組むべきか!?

このような影響はあくまで仮説ですが、まずは何から取り組むべきでしょうか。法律事務所の経営から考え例えば
・地方の事務所は大都市に支店を設けることでブランド力を高める
・専門性をより強化し、実績をHPで訴求する
などいろいろ考えられます。

しかし、真っ先に必要なことは、貴所のIT化です。
全てにおいてITインフラが基盤となるため、このインフラが整わない限り、攻めの取り組みは何もできません。

例えば、オンプレミス型でクラウド対応していないシステムを使っている、事務所サーバーに大半のデータを保存しているなど多くの法律事務所は一般企業から見ても大幅にIT化が遅れています。

また、このITは単に裁判のIT化に対応することで必要というよりは、法律事務所経営やマーケティングの精度を高める上でも非常に重要です。

●蓄積したデータ活用により、業績のV字回復を実現
東京で日本でトップクラスの離婚事件を扱う弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所様は、事務所設立後に順調に案件数と弁護士数を伸ばしてきましたが、2018年頃から弁護士の増加に売上が追い付かない状況が出てきました。その際には、2016年からクラウド型のシステムを導入していたため、過去の案件を分析したところ、その当時の受任傾向が本来のマーケティング方針とはズレていることが発覚しました。そこで、改めてマーケティングターゲット設定の確認、HP訴求点の修正、料金表の見直しを行い、業績をV字回復させることに繋がりました。また、丸の内ソレイユ様はシステムの導入と合わせて、クラウド化にも取り組みフリーアドレスも実現されています。

●デジタルマーケティングで大手渉外事務所と互角に戦う
大阪で企業法務を専門的に扱うリーガルブレスD法律事務所様では、事務所設立後から順調に顧問先数を伸ばし、現在80社を超えます。この顧問は、ほぼ弁護士1名の体制でWEBから獲得したものです。具体的には、最初は事務所サイトから始まり、その後専門サイト、メディアサイトと変化してきました。また、最近ではマーケティングオートメーションやチャットボットなども活用されています。「これらのITツールのおかげで、小規模事務所でも大手渉外事務所と互角に戦うことができる」という代表弁護士の湯原先生の言葉が印象的でした。

このように、法律事務所におけるいITやデジタルを活用することは、裁判のITに合わせるだけでなく、今後の収益性を左右する大きなテーマです。今回は、この民事裁判のIT化に向けて何に取り組むべきかをテーマに、皆さんと今後の法律事務所経営を考える機会を設けたいと思います。

【法律事務所の収益分析とデジタル活用セミナー】
●開催日:
①2022年7月19日(火) 15:00~18:00
②2022年7月30日(土) 13:00~16:00
③2022年8月19日(金) 15:00~18:00
④2022年8月27日(土) 13:00~16:00
●開催方法:オンライン

●ゲスト講師
・弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 代表弁護士 中里 妃沙子 氏
・リーガルブレスD法律事務所 代表弁護士 湯原 伸一 氏

●セミナー講座ポイント
「法律事務所経営×デジタル化」
弁護士45,000人時代へ突入!弁護士の大変革時代の3つシフト!-
・システム利用は、 現状把握 から「データ活用」へ
・顧客獲得は、 Webマーケティング から「デジタルマーケティング」へ
・業務は、 業務効率化 から「業務プロセスの変革」へ
・改正民事訴訟法が成立、民事裁判のIT化に向けてあと3年、法律事務所経営において何を準備すべきか!?

●ゲスト講座ポイント
【・弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 代表弁護士 中里 妃沙子 氏】
・弁護士20名・日本トップクラスの離婚分野と高いブランド力
・事件の終結を促進するシステム活用
・業績をV字回復させたデータ分析によるマーケティング改革

【リーガルブレスD法律事務所 代表弁護士 湯原 伸一 氏】
・開業10年・顧問先80社超・企業法務の高い専門性とブランド
・ほとんどの顧問はWeb経由で獲得
・弁護士1名でも大手渉外事務所と対抗できるデジタル活用術

今回は、今後の法律事務所経営を考える上で、貴重な機会となると思います。皆様からのご参加をお待ちしております。

法律事務所の収益分析とデジタル活用セミナー

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/088767

【執筆者:川上英秀朗】

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