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企業から求められる顧問弁護士になるためのマインドセット

皆さま、こんにちは!
船井総合研究所の栗原でございます。

企業法務を取り扱う事務所にとって「法人顧問の獲得」は、事務所経営において極めて重要な役割を担っています。そして多くの先生方か法人顧問の獲得に課題を感じられているのではないでしょうか。

今回は「法人顧問獲得のための提案力強化実務研修」の一部をご紹介させていただきます。

事務所経営における「顧問獲得」の位置づけ

法律事務所の経営においては、いくらの売り上げが立てば利益や所得がいくらになるかを把握しておくことが重要です。1ヵ月に必要な売上を把握し、毎月必要になるスポット案件数を割り出し、必要件数に合わせて販管費を調整することになるかと思います。
企業法務分野においての売り上げは「スポット案件売上」と「顧問料収入」に分けられますが、スポット案件については時期や外部環境によって毎月の反響数・受任数にバラつきがあり予測が難しくなっています。一方で顧問料収入については解約が発生しない限りはストック収入として安定的な売り上げに繋がります。

仮に1ヵ月に必要な売り上げが200万円だった場合に、月額5万円の顧問先が20社あれば必要な売り上げの半分を顧問料収入だけで賄うことができるようになり、必要なスポット案件数は半分で済むということになります。顧問件数が増えれば増えるほどストック収入が積み上がり必要なスポット案件数が減少するため、顧問の増加は経営の安定化に直結します。

更に、顧問先企業には一定数の従業員がおり日常生活を行なっていくうえでは、離婚・相続・借金・交通事故などのトラブルが発生し、スポット案件としての受任が可能になります。仮に従業員100名の顧問先が20社ある場合には2000人の潜在顧客を獲得したことになるのです。

また、顧問契約の性質上、経営者に満足いただくことで経営者コミュニティでの紹介が発生する場合が多くあります。そういったケースでは通常の反響からの受任率・継続率よりも高くなる傾向があり、如何に経営者の満足度を高めることが重要かお分かりいただけるかと思います。

どんな弁護士が企業から選ばれるのか?

それでは、一体どんな弁護士が企業から選ばれ経営者に好かれるのでしょうか?一般的に企業における弁護士のニーズは4つに分類できます。

・リーガルチェック
・労務に関する相談
・知的財産関係の相談
・ビジネススキームについての相談

ところが、日本の中小企業の約7割は顧問弁護士がいないという状況を鑑みると、日常的に法的ニーズが発生する企業は必ずしも多くはないということが分かります。船井総研のお付き合い先の中でも顧問先を多く抱える先生へのヒアリングの結果、経営者の真のニーズとして以下が挙げられました。

・経営者の右腕のような存在として頼りたい
・人事・労務・税務など経営に纏わるありとあらゆる悩みを相談したい

つまり、通常のサービスラインナップの紹介だけでは他の法律事務所との差別化には繋がらず、経営者に刺さる提案にはなりません。必ずしも労務や税務に精通し全てを自分自身で対応する必要はありませんが、経営者から相談を受けた際には「専門ではない」と切り捨てるのではなく、悩み事を整理し、必要に応じて信頼できる専門家を紹介し両者を繋ぐことで「頼りになる」という印象を持ってもらうことが重要です。

顧問獲得のための営業活動

「営業」という言葉を聞くとネガティブなイメージを持つ方は、弁護士に限らずいらっしゃるのではないでしょうか?その根底には「営業=必要のないものを売りつける」というイメージがあります。しかし本来の営業とは「ニーズを持つ人に、そのニーズを満たす商品を提案して受注すること」であり、お客様を助けるものだという認識を持つことが重要です。会食や異業種交流会でも出会うすべての人の役に立とうと思いながら日々を過ごすことで営業のきっかけを見逃さなくなります。

他業界では営業マンとしての能力を伸ばすための訓練を行なっています。ところが弁護士業界では、業務量や向き不向きを理由に訓練することが放棄されているケースが多くありますが、これは企業を幸せにすることを放棄してしまっていると言っても過言ではありません。

弁護士業においては、積極的な営業で仕事を取るというのはあまりよろしくないという風潮もありましたが、ただ待っていれば仕事が来る時代は終わりを迎えました。企業の幸せだけでなく弁護士自身の幸せのためにも積極的な営業を行なっていきましょう。

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